過敏性腸症候群(IBS)

2005年5月11日

過敏性腸症候群(IBS)とは、精神的なストレスなどにより自律神経と腸管の運動のバランスが崩れ、腹痛や便通異常が起こる疾患です。下痢や便秘など便通の異常以外にも腹部膨満感や頻回のおならなどの様々な症状を伴う場合があります。その診断のためには胃や腸の検査でその他の病気がないことを確認する必要があります。
現在ではグローバルスタンダードとしてRomeIIという診断基準が用いられています。

<IBSのRome II 診断基準>
腹痛あるいは腹部不快感が

  • 12か月の中の連続とは限らない12週間を占め
  • 下記の2項目以上の特徴を示す
     (1)排便によって軽快する
     (2)排便頻度の変化で始まる
     (3)便性状の変化で始まる

治療は ストレス→便通異常→便通異常が気になることによるさらなるストレス という悪循環を断ち切ることが主体となります。原因となるストレスの分析と対応のため心療内科などでの治療が必要となる場合もあります。
当院では生活面でのアドバイス、食事指導および腸管の運動を調節する薬剤による治療などを行っていますが、乳酸菌などプロバイオティクス(生きたまま腸に到達して整腸作用など人体に良い影響をもたらす微生物)を摂取することも有用であると言われています。但し、胃酸や胆汁酸に強い乳酸菌でなければ効果も少ないと考えられます。当クリニックでは、患者さんの症状やご希望に応じてKE-99(プロバイオヘルスジャパン)という胃酸に強い乳酸菌をご紹介しています。